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UPDATE : 2014.12.11

[運動量測定データ] アルビ戦

 

先日のアルビ戦で、宇津木選手のスパイク底にセットしてもらったmicoachから計算した、運動量測定データを紹介します!

 

※選手の動きに優劣をつける分析ではありません。試合戦略・状況・天候などの外的要因が多く含まれています。特徴を捉える為の分析です※

 

  グラフの見方は→ <こちら> 参照ください!

 

◎ - ◎ 試合: アルビ戦  ◎ - ◎ 

 

- 試合結果: アルビ 1 – 7 モンペリエ ○ 詳細

- 天候:   曇り時々晴れ

- 気温:   8℃

- 湿度:   中

- ピッチ:  天然芝

- ピッチコンディション: 濡

 

 2014_12_11_p01

分析1: スピード変化〕

  【数値の算出方法】

 -スピード: 距離の時間微分 (micoachの基礎的なデータで速度グラフは出ますが時速表示がないので、距離の数値データから微分して速度を求めました。micoachで排出される波形と一致します)

 -最高スピード: スピードの最高値

 -平均スピード: スピードの平均値(ただし、静止時間は除外して計算)

 

  【グラフの見方】

-横軸が時間、縦軸がスピード(単位:時速)を表します。点で表示されているのは最高スピードです

-試合での測定結果では、前半・後半を区切り、それぞれのスピード数値を算出します

-サッカーボールは得点、黒いサッカーボールは失点を表します

-ハーフタイムのデータも表示していますが、距離変化がほぼ無いので、影響を受けるのは、時間の項目だけです

 

  【イメージ】

 -100mを10秒で走る選手の場合、横軸は10秒で終わり、最初の3~4秒はスピードがどんどん上がっていき、それ以降は速度の伸びよりも最高速度をキープするグラフになります

-マラソンの場合は横軸2時間以上のデータで速度の変化はさほどみられません

 

【考察】

 -前半と後半で 【平均速度の違いが0.4km/h → 1時間走って400mの違い → 限定的】 かつ 【最高スピードが同じ数値】 → 前半・後半、運動量に大きな違い無し

 -後半の距離&平均スピードの減少が有意な差だったとして、考えら得る理由 → 
   ①疲れ 
   ②1:20時点の中断(接触プレー&選手3人交代) 
   ③グラウンドコンディションの悪化 
   ④大量得点で余裕ある試合展開
   ⑤その他?

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2014_12_11_p02

分析2: スピード域毎の時間分布と距離分布

  【数値の算出方法】

 -スピード組み分け: 宇津木選手タイムと感覚から定義
  → ダッシュ:   20km/h以上 (100mを18秒以下)
  → 高速ラン:   12~20km/h (100mを18~30秒)
  → ランニング:  4~12km/h (100mを30~90秒)
  → ウォーキング: 4km/h以下 (100mを90秒以上)

   ※まだ暫定的な定義です。分析を重ねた後に、速度の組み分けを変更するかもしれません※

 -スピード別の距離: 各スピード域で走った距離の合計

 -合計時間: micoachの測定時間。 運動時間: 静止時間を抜かした時間の合計

 -運動時間率: 測定時間に対する運動時間の割合

 

  【グラフの見方】

-左の円グラフ: 宇津木選手が各スピード域でどのくらいの時間を走ったかを表示

-右の円グラフ: 宇津木選手が各スピード域でどのくらいの距離を走ったかを表示

 

  【イメージ】

 -女子マラソンの世界記録が2:15:25なので、平均時速は18.7km/hになります。よってほぼすべての時間&距離を高速ランが占めます

-男子100mの世界記録が9:58なので、平均時速は37.6km/hになります。ただ、ゴール付近での最高速度は時速約45km/hに到達します。平均と最高速度が大きく異なるのは、最初の30~40mは加速していて、全走行距離に対する加速距離の割合が大きいからです。よって、円グラフで速度と距離の移り変わりが見えるはずです

 

【考察】

 -主なスピード帯はランニング → MF的なスピード帯(?) → 今後分析回数重ねて検証

 -ハーフタイムの時間を抜かすと静止時間は約7分 → そのうち1:20時点の中断が約5分 → 実質の静止時間は2分程度 → 高い運動時間率

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2014_12_11_p03

分析3: 加速・減速の合計時間と回数

  【数値の算出方法】

 -加速度: 速度の時間微分

 -加速度が正の値を持った時は加速、負の値は減速の状態。ゼロのときは①一定スピードで走っている場合と、②静止している状態で分類(距離変化の有り無しで判断)

 -加速とはスピードを上げている状態。減速とはスピードを落としている状態

 -回数: 加速・減速・一定スピード・静止の回数をカウント

 

  【グラフの見方】

-上のグラフは加速・減速・一定スピード・静止の時間の合計。下はそれを行った回数

-最高と平均の加速・減速を算出

 

  【イメージ】

 -1m/s2の加速とは、止まっている車が一定にスピードを上げて、10秒後に時速36キロに到達する大きさです

 -100mを9秒台で走る選手のスタートダッシュの加速度は約4m/s2くらいです

 

【考察】

 -90分の運動時間で49分が加速・減速 → スピードを絶えず変化

 -【常に運動している状態】 & 【タックル・激しい接触プレーが無かった】 → 大きな速度変化が無い → 加速と減速の数値が均衡 (前回紹介したパス練習と異なる傾向)

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2014_12_11_p04_

分析4: 加速・減速の合計時間と回数

  【数値の算出方法】

 -ステップ長さ: 各スピード域の総距離をステップ数で割り算

 -毎秒のステップ数: 各スピード域のステップ数を時間で割り算

 -平均ステップ数: 総距離を総ステップ数で割り算

 

  【グラフの見方】

-各スピード域でのステップ長さを縦軸に表し、各円の大きさが毎秒ステップ数を表し、その数値が記入されています。

 

  【イメージ】

 -100mを9秒台で走る選手は約41ステップで走るので、毎秒約4.3ステップ & 平均ステップ長さ約2.4mになります

-1ステップの世界記録は走り幅跳びの8.95m(男子)

-3ステップの世界記録は3段跳びの18.29m、つまり平均1ステップ約6.1m(男子)

 

【考察】

 -ダッシュは、ウォーキングと比較すると → 毎秒ステップ数は2倍 & ステップ長さは約4倍 → スピードを上げるには、ステップ長さを伸ばす方が効果的

(ただ、足の長さが一定なので、ステップ長さもいずれかは限界に到達する → 前回紹介した100mを9秒台で走る選手が最高値?)

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